今泉クリーンセンターに建設予定の生ごみ資源化施設について
選挙戦5日目、神奈川ネットの元市議で今泉台在住の前田陽子さんに、ごみ問題についてお聞きしました。
鎌倉市は、逗子市と葉山町と鎌倉市による「ごみ処理広域化計画案」のなかで、鎌倉市全域から排出される生ごみを、今泉クリーンセンターに建設する「生ごみ資源化施設」で処理するとしています。市は、この施設は微生物等を利用して生ごみを堆肥に変えるもので、環境に優しいと説明しています。
◆環境にやさしい?本当にそうでしょうか
生ごみ「資源化」施設と言っても、生ごみをただ発酵処理して二酸化炭素と水が発生するだけで、エネルギーが得られるわけでもなく、温室効果ガスが出ない処理でもありません。しかも、鎌倉じゅうをトラックが走り回り今泉1か所に持ち込むのですから、使うエネルギーも大きく、総体的に見て環境に優しいと言えるのか疑問です。
また、鎌倉市は、最終的には一日に生ごみを24トン処理できる施設を作るとしていますが、このような規模の施設は全国に例がないばかりか、もっと小さい施設でも悪臭が問題になるなどしています。
◆焼却施設を作るより安上がり?
経費面では、焼却施設を作るより安上がりという説明も、根拠が極めて希薄です。生ごみだけを処理するのであれば収集回数や収集方法はどうなるのか、それによって経費は大きく変わってくるはずです。市は、まだ検討中として全体の見積もりを出していません。その段階で、焼却より安いと断定的な発表をしたことにも不信感があります。
◆40年以上ごみ処理を引き受けてきた地域です
今泉クリーンセンターは、1973(昭和48)年に操業を開始したと聞いています。老朽化した焼却炉の悪臭や粉塵、さらにはダイオキシン類に不安を持つ住民の皆さんが粘り強く活動し、2015(平成27)年3月にようやく焼却停止に至りました。私は、40年以上鎌倉のごみ処理を引き受けてこられた地域の皆さんのご苦労は、しっかり受け止めなければならないと考えています。
◆責任あるごみ処理計画に
今、鎌倉市のごみは名越クリーンセンターで焼却しています。今泉クリーンセンターは焼却を停止しましたが、今もなお事業者のごみが搬入され、溜まったごみを8トントラックに積み替えて名越に運んでいます。その名越も2024年には閉鎖することになっています。その先は、2034年までは逗子市に、その後は民間事業者に任せるとしていますが、災害時の対応を含め、鎌倉市のごみ処理はそれで万全なのでしょうか。私は、次の時代を担う子どもたちに負の遺産を手渡したくはありません。思いつきではなく、将来に対しても責任を持ったごみ処理計画にしなければならないと思います。